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Interviews | File No.039
山野アンダーソン陽子 生活に寄り添ったクラフトとアートの域を
自由に行き来する、ガラス作家の住まい Yoko Andersson Yamano, Glass Artist / Sweden, Stockholm大きなピッチャーやフラワーベース、日常使いのコップからアートピースまで、熟練の技で美しい作品を生み出すガラス作家の山野アンダーソン陽子さん。スウェーデンの伝統あるガラス工房で修業し、美術工芸大学で学び、陶芸作家でガラスデザイナーのインゲヤード・ローマンに師事した。職人的な技能とアーティスティックな感性を持ち合わせた山野さんは、自らガラスを吹き、日々ものづくりに向き合う。生活に寄り添うことを前提に「機能することが大事」と話すが、聞けば、万人でなく1人や2人でも、用途とは違った目的で機能すればいいというもの。使い手に委ねられた「機能」はどこまでも自由だ。
長年、スウェーデンで暮らす山野さんの現在の住まいは、ストックホルムの中心部からほど近い住宅街。夫と息子と暮らす自宅、そしてアトリエにお邪魔した。 -
Interviews | File No.038
エリック・レイフ・エリクソン 音楽を奏でる作品たち。
遊び心に溢れた
91歳のアーティストのアトリエ Erik Leif Ericson, Artist / Sweden, Stockholmダンボールや色紙で作られたサーカスのピエロやカーニバルの男性、女性。今にも動き出しそうな、カラフルでユーモラスな表情をしたフィギュアたちが、アトリエいっぱいに飾られている。色彩豊かな独特の世界観で魅了するのは、アーティストのエリック・レイフ・エリクソン。2次元のペインティングから3次元の立体物まで幅広く手がけ、91歳の今も現役で制作を続ける。
彼の自宅兼アトリエはストックホルムの中心部からほど近くにある一軒家。薄い水色の壁に真っ赤な窓枠、壁やガラス、庭の看板にもレイフのペイントが施され、彼自身のユーモラスな人柄が垣間見える。旅からインスピレーションを受け、常に音楽を感じられる作品を意識して作るというレイフ。まるでおもちゃ箱をひっくりかえしたような楽しい空間。賑やかで明るいアトリエを見せてもらった。 -
Interviews | File No.037
リサ・ラーソン 生活の中にある創作。
四季折々の自然と家族の思い出に
囲まれた陶芸家の暮らし Lisa Larson, Ceramic Artsit / Sweden, Nackaデフォルメされた猫やライオンなどの動物シリーズをはじめ、ユニークな視点と愛らしいフォルムの作品で魅了する陶芸家リサ・ラーソン。ミッドセンチュリー期に制作されたアートピースは、高値で取引されるほど今では貴重なヴィンテージとなっているが、本人いわく「当時は、フィギュアよりも機能的な日用品を作りたかった」と笑う。
リサの住まいは、ストックホルムの中心部から少し離れた閑静な住宅街の一角。1階のアトリエに面した庭は、大きなりんごの木を眺めながら四季の移り変わりを感じられる場所。夏は周辺を美しい緑が彩り、冬は雪の中を鹿が遊びにやってくる。隣の部屋は、最愛のパートナーで画家のグンナル・ラーソンのアトリエ。現在も作陶を続ける彼女にとってアトリエはいちばん好きな場所だという。作品から受けるイメージそのもの、チャーミングで温かい人柄。フィーカを楽しみながら話を聞いた。